昔から、我が国・日本の動向や海外からの影響は、日本独自の文化に影響を及ぼしてきました。こうした事実や、それらがどのように日本文化を形作ってきたかを理解すれば、国民性、企業、社会全体とより効果的にコミュニケーションをとることができるでしょう。

周知の通り、儒教と仏教は、中国と韓国によって日本にもたらされました。日本では、これら宗教の教えを、日本の実情や嗜好に合わせながら取り入れていきました。古代神道、仏教、そして儒教の伝統がお互いに強め合い、それが現代の制度によってすっぽり覆われている状態、それが現代の日本文化だといえるかもしれません。

年齢と社会的地位

階層制が社会の人間関係のあらゆる側面に影響を及ぼしている以上、年齢や階級を尊重することは極めて重要です。そのため、同僚とみなせる相手といる時が、気を遣わなくていいので、一番楽だといわれています。組織内での役職、就職先、卒業した大学、婚姻関係などが相まって、個人の社会的地位を決定しています。

お辞儀と握手

日常生活においても、職場においても、日本ではお辞儀がごく普通に行われます。挨拶として、また敬意を表す仕草として、目上の人に対してお辞儀をします。年下の人は、直立の姿勢から腰を30〜45度前に倒してお辞儀をします。女性は、太ももの高さで手を重ねてお辞儀をすることもありますが、男性は、腕を体の脇に伸ばしたままでお辞儀をします。他方、目上の人は、より浅い、通常15度くらいの角度のお辞儀を返します。お辞儀をしながら相手と目を合わせることは、失敬で挑戦的な態度と受け取られ、格闘技の試合で戦い始める直前にそうした行為が選手間でみられます。

何人かと同時に挨拶する場合、一番目上の人に最初に挨拶をし、その後、年齢の高い人から順に挨拶の言葉をかけるのがマナーです。海外では、挨拶をする時やお別れをする時、握手を求めることがほとんどですが、日本では握手とお辞儀を同時にしません。どちらか一方だけするのが無難です。

人間関係の構築

仕事で一緒になる場合、日本社会では人間関係が何よりも重視されます。相手を信頼し敬意を抱けるようになってから一緒に仕事をしたいと考えます。人間関係は通常、何度も食事をしたりお酒を飲んだり、労働時間外かつ社外での付き合いを通して形成されます。

ドレスコード

日本社会では、外見の身なりが非常に重要視され、海外と比べて服装がかなりフォーマルです。仕事をする際の服装は、個性の表現よりも、周囲との一貫性が重視されます。男性であれば、ダークスーツに白いワイシャツとネクタイという組み合わせが無難です。アクセサリーについては、腕時計と結婚指輪ぐらいにとどめ、最小限にしておきます。女性の場合も、控えめな服装で、あまり目立たない色合いを選ぶのが無難です。

名刺

名刺交換は、初対面の際の重要な慣習で、一定の決まった作法に従って行うのが社会人としてのマナーです。名刺を交換することで、瞬時に相手の地位や役職、社内での位置づけを知ることができます。実際に交換する際は、立ったまま両手で名刺をゆっくりと相手に差し出し、相手からも名刺を受け取ります。また、贈り物を交換する際は、感謝と敬意を表して軽くお辞儀します。

謙虚さ

日本の文化では、謙遜や謙虚さが高く評価されます。大げさな身振り手振りを使わずに、静かな口調で話すことで、謙虚で穏やかなイメージを相手に与えることができます。